秋田市内は、前日に続きこの日も雪。会場の向かいの野球場も真っ白です。この時期の積雪としては市内では珍しいとのことでした。
そんな天候の中、県内各地から12名の方々にお集りをいただきました。
この日のお題は「農業×IT」。地場の農業に役立つITについてアイデアを出し合いました。
午前中はインプットの時間。弊社の原よりFandroid EAST JAPANが仕掛けている地域×ITの取り組み紹介と、前日に引き続き、新潟からお越しいただいたウォーターセル株式会社の中川さんに、アグリノートの紹介をしていただきました。
原からは地域×ITの取り組み事例の紹介。他業種・他地域の例として、お隣、青森県での「介護×ITマッチングワークショップ」の例など、紹介させていただきました。前日同様、パーカー着用ですが、体が大きくはみ出てしまっております。
中川さんからは、前日よりもさらにアグリノートの機能面の解説を詳しく行っていただきました。中川さんもパーカー姿での登場。
※中川さんと原の写真は、石井力重さんにご提供いただきました。ありがとうございます!
ついで、参加者の方々のグループディスカッションで感想を述べ合い、全体へのシェアを行いました。その後、農家のみなさんにご自身の課題やITで取り組んでみたいこと、さらにはITへの印象なども伺い、IT事業者のみなさんからコメントをもらう場を設けました。
アグリノートが圃場管理のアプリケーションであることから、ほかの部分に関するIT全体への要望として、流通・販路拡大、高齢化への対応、費用対効果にかなったIT導入のコスト感などが論点にあがりました。
お昼を挟んで午後からは、アイデアプラントの石井力重さんのアイデアソン。
今回のワークの手順は、石井さんのブログにて公開されています。
(参照)【スライド】秋田県でのアイデアソン
※当日朝のバージョンです。発想のお題は、午前中のディスカッションを経て決定。
※リンク先にて当日の決定稿に差し替えていただいています。(←12/16追記)
最初に行ったのは「Brainstorming Card」を用いた「破壊ブレスト」。カードに示された役割に沿って、プロジェクトが失敗するように、課題解決の邪魔をする方法を考えます。逆の発想をすることで、本来出したい解決策を導く手法です。
これが「Brainstorming Card」。4つのカードにそれぞれの役割が記されています。
続いて「SpeedStorming」でのペア・ブレスト。相手を変えながらお互いのアイデアを話し合います。
出されたアイデアを、アイデアスケッチと呼ばれるA4のシートに1案1枚で、アイデアの概要として書き出します。書いたシートは全員で回覧し、面白いと思ったものに☆印をつけます。ハイライト法と呼ばれるもので、これによって、目をひく良案が抽出されます。
アイデアスケッチについて解説をする石井さんと、、、
熱心に耳を傾ける日本Androidの会秋田支部長の佐々木大三さん。石井さんを秋田に呼んでアイデアワークをするのが長年の夢だった大三さんは、秋田のITコミュニティのエンジン役です。
☆の多かった案を整理したら、ほかの案で似たものや混ぜてみたいものなどをつなぎます。そうして分類されたアイデア群に、興味ある人が集まってチームを組み、さらにアイデアを磨いていく発展ブレストを行います。今回は、3つのアイデア群に整理をして、各案に集まった3,4人程度でチームとなり、アイデアのブラッシュアップを行いました。
つながりそうなアイデアスケッチ同士を整理して窓に張り出し、チームづくりへ。
※上記写真撮影:石井さん
分かれたチームで発展ブレストを開始。
※上記写真撮影:石井さん
あるチームのテーブルです。1つのアイデアに向かうために、たくさんのアイデアスケッチやメモが並んでいます。
アイデアのまとめ方として、今回は、県の助成金のフォーマットに沿って必要な項目を書き出し、応募者になりきってプレゼンを行うという方法をとりました。
最初のチームが発表したのは「高齢農業者安全管理ソリューション」。農作業中の事故や体調不良を把握し、通報することで、農業者の命を守るというアイデアです。高齢者が多いという課題へのアプローチでした。
二番目のチームは「水田の注水、排水の管理装置およびシステム化」を提案。水路弁の開閉を電動式にして、車のクラクションやライトで操作ができるというもの。水の管理を効率化したいという課題から出たアイデアでした。
最後のチームからは「農機具の融通をマッチングするシステム」という案が出ました。農繁期の人手不足の解消と高額な農機具の共同利用をうたっています。
前日からの2日間の取り組み全体のお題としてオープンデータがありました。しかし、今日のブレストでは、すぐにオープンデータ活用につながるアイデアが出てきたわけではありません。
前日のセミナーでは、まずはその分野の課題を理解すること、相手への共感が最初の一歩であり、解決策として結果的にオープンデータが活用されるというのがあるべき道筋との議論もありました。
こうした場を重ね、出てきたアイデアの中で、さらにデータを活用しうるものを見いだせれば、それが課題から出発するオープンデータの活用例に発展するものになります。
あるいは、これも前日の議論にあったように、たとえば今日のようなブレストにデータ活用の得意な人が入ることで、より早い近道が出てくることもあるでしょう。
石井さんが今回のアイデアワークを組み立てるにあたり、前日までの思考がブログにまとめられています。
(参照)オープンデータアイデアソン「地域発で農業× IT の連携を考える」(秋田、12月14日)
※「述べたいこと第2章」に挙げていただいた考察には、エクスキューズが入っていますが、今回のアイデアソンの開催意図は、私たちも同様の認識です。
最後に石井さんからいただいたメッセージの中に、「アイデアは単体では無価値である。誰かを喜ばせるモノを実際に作ったとき、初めて価値になる」という言葉がありました。
オープンデータ活用の可能性を追うだけではなく、何より、出てきたアイデアのプロトタイプ開発や実践の場が今後生まれるよう、参加者のみなさんとも次の仕掛けを生み出されれば幸いです。
石井さんのブログには、様々な発想技法やその考え方などが多く記されています。ぜひご参照ください。
(参照)石井力重の活動報告
石井さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
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