2014年2月27日木曜日

インターナショナル・オープンデータ・デイ 2014 in 滝沢市 を開催いたしました

1.開催概要

 世界同時開催のオープンデータ普及啓蒙イベントである International Opendata Day」の滝沢地区版として、「オープンデータを知る」「事例紹介: 岩手県内自治体の情報公開に関する取り組み」「オープンデータを作る」の3本立てで開催いたしました。



 公共データを広く公開・利用するオープンデータへの注目は世界的に高まっております。オープンデータは、従来の行政主導の地域政策ではなく、住民や地域企業らも一緒に考えていく、新しい社会の形成が期待されています。そこで、オープンデータに関する知識を身につけ、オープンデータによってもたらされる社会を考える場として、世界同時開催イベントである「インターナショナル・オープンデータ・デイ」を滝沢市で開催し、オープンデータの普及啓蒙を行い、さらなる発展への機運を高めました。
 なお、開催地の滝沢市は、20141月に市制を開始した最も新しい市で、これまでは「住民日本一の村」として知名度が高かったですが、これからは「住民自治日本一」を掲げて新たにスタートを切りました。この考え方は、オープンデータが目指す社会であり、このたび開催地を滝沢市とし、担当者の方にもご講演をいただきました。

 本イベントは、3部構成で開催いたしました。第1部では、「オープンデータを知る」と題し、弊社がこれまで取り組んできたオープンデータに関する調査や研究をまとめ、はじめてオープンデータに触れるかた向けに、オープンデータの定義、歴史、事例、技術を伝えました。第2部では、「事例紹介: 岩手県内自治体の情報公開に関する取り組み」と題して、岩手県庁と岩手県滝沢市役所の担当者からご講演をいただきました。第3部では、「Linked Dataを作る」と題し、岩手県立大学のLinked Data研究者より実際にLinked Dataの作るワークショップを実施いただきました。

日時:2014222() 13:30-18:00
会場:岩手県立大学共通講義棟206講義室(岩手県岩手郡滝沢村滝沢字巣子152-52
主催:株式会社CCL、岩手県立大学ソフトウェア情報学部学生有志
参加者数: 25

招待講師:
- 臼井 宏 氏          (岩手県庁政策地域部地域振興室地域情報化担当)
- 熊谷 和久 氏      (岩手県滝沢市役所企画総務部企画総務課)
- 清水 小太郎 氏   (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科博士前期課程)
- 高屋敷 健 氏      (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科博士前期課程)

. 1部「オープンデータとはなにか?」
 弊社におけるオープンデータの取り組みについて紹介を行いました。紹介は、2つのテーマで構成され、はじめに弊社代表取締役佐々木より、株式会社CCLにおけるオープンデータ事業についての紹介がありました。続いて、弊社プランナーの小松より、「オープンデータとはなにか?」と題して、昨年夏からのオープンデータ事業を通じて得られた情報をまとめたオープンデータ初学者向け発表を行いました。内容は、第1回オープンデータ・カフェ 盛岡で報告した資料(詳細は、オープンデータ・カフェ盛岡「オープンデータとはなにか?」報告資料をご参照ください)に加えて、最近話題となった日本政府のデータカタログサイトである「data.go.jp」やオープンデータ活用事例に事例を加え、さらにオープンデータ・カフェなどの活動報告を加え、再構成したものです。
 この講演によって,オープンデータに初めて触れる参加者への基礎を理解いただけた.またすでに知識のある参加者にとっても再認識する機会となったと思います。

3.第2部 「事例紹介: 岩手県内自治体の情報公開に関する取り組み
 岩手県庁ならびに岩手県滝沢市の取り組みについてご紹介いただきました。
 はじめに岩手県庁臼井様より「岩手県庁におけるオープンデータの取組について」と題して、岩手県庁がオープンデータを推進していく立場であること、また情報に対する視点を従来と今後に分けてご紹介いただきました。



 岩手県として「オープンデータ」の普及に向けて今後必要となる視点として次の3つが挙げられました。1. データを二次利用出来るようにする、2. 営利を目的とした二次利用を広く認める、3. 機械判読により適した形式で公開する。また、データ公開の進め方についても言及があり、まずは活用ニーズの高いデータを公開していきたいとのことでした。それにあたって、データを利用する方からどんなデータがほしいのかを気軽に問い合わせが欲しいというお願いが参加者にありました。
 発表資料は、翌々日にスライドシェア(slideshare.net)に公開され、Facebook Twitter 上でも反響があり、2月末現在600名を超える方に閲覧されました。

 次に、滝沢市役所熊谷様より「滝沢市の自治に関する取組について」と題した発表がありました。滝沢市は、行政運営を経営ととらえており、住民が主体的に公共的課題を解決し、自立した社会を作ることを掲げていることが紹介されました。


 続いて、情報公開の取組についてご紹介があり、15年近く前から、庁内の効果的な電子情報管理が実施されていることが示されました。加えて、平成17年度に策定した第5次滝沢村総合計画(〜26年度まで)では、毎年住民にアンケートを実施し、総合計画に対する市民の想いの変化を「めざそう値」として公表しているそうです。次期滝沢市総合計画においては、幸福度合いを測る新たな指標を用いて、さらなる住民主体の地域を目指して活動を進めていくとのことでした。このようななかで、オープンデータによる市民活動の仕組みの構築は必要とされているという言及がありました。


4.第3部 「オープンデータを作る
 第1部、第2部で学んだオープンデータに関する知識をもとに、オープンデータを作るワークショップを、岩手県立大学(滝沢市)で Linked Data を研究する清水氏、高屋敷氏から開催いただきました。



 はじめに、清水氏から Linked Data に関する紹介がありました。Linked Data は、オープンデータを支える技術基盤のひとつであり、現在普及しているWebの発展形であるという説明がありました。具体的な例として、「本田圭佑がACミランに所属している」という情報は、Web上にたくさんあるが、これをコンピュータが理解することは非常に難しいため、トリプル(主語、述語、目的語: この場合は、「本田圭佑」「所属する」「ACミラン」となります)からなる情報をメタデータとしてデータに付与することが例としてあげられました。この記法に従えば、コンピュータが意味を読み取りやすく、現在研究されているエージェント(人工知能)にも活用されるため、オープンデータでの行政データ公開においてもこの仕組みで公開することが望ましいとのことでした。
 続いて、高屋敷氏から「Linked Data を作る」というテーマで、Linked Data の公開サイトのひとつである Linkdata.org にデータを公開するワークショップが開催されました。参加者が持参したパソコンで、Linkdata.org にアクセスし、表計算ソフトを利用してデータを作成しました。今回のワークショップによって、盛岡市、大槌町などのLinked Data が増えました。

5.全体を振り返って
 今回のイベントでは、これまでのオープンデータ・カフェに比べて多くの方に参加いただきました。内容も、オープンデータの入門向けであることに加えて、身近な事例も取り扱ったためオープンデータの普及啓蒙に寄与できたと感じます。
 一方で、民間企業からはオープンデータがどうビジネスに結びつくのか、これを新規事業として扱うにあたり助成金などはあるのかといったご質問がありました。この点については十分なフォローはできていないと思いますのでさらなる調査・研究を行い、新しいご提案ができるように進めていきたいです。さらに、データ公開と利用においては、主にデータを公開する側である行政は、どのようなデータを公開すればいいのかわからず、一方で使う側の民間企業・学生などは、行政がどのようなデータを保有しているかがわかならいという状態であり、双方がお見合い状態であることが課題のひとつであることがわかりました。この点を、ハッカソン、アイディアソンやオープンデータ・カフェなどを通じて双方の距離を縮めていく企画を今後実施していきたいと思います。


International Open Data Day in 会津を開催しました!


2014年2月22日のInternational Open Data Dayの日に、会津若松でInternational Open Data Day in 会津を開催しました。(以下、IODD会津)

IODD会津のコンセプト

会津ではIODDを開催するに当たり、一つのコンセプトを固めました。

「そろそろ使えるもの、そろそろビジネス」

です。

イベント参加者たちによるアイデアソンやハッカソンにより使ってもらえるかどうか未知数の高いものを作るのではなく、今、本当に必要とされているものを運用後のビジネスまで見据え作り量より質の実績を残すということを課題にしました。

また、会津若松にはオープンデータを推進するプレーヤーが多く存在するためそれぞれがもつプロジェクトを持ち込みながら、お互いが刺激しあい、開催後に各自で持ち帰りブラッシュアップを進めてもらいたいという想いもありIODD開催前から動いていた一つのプロジェクトが持ち込まれました。
それは「全国消火栓プロジェクト」です。

このプロジェクトは
「日本中の市町村に存在する消火栓や防水層の位置をデジタルの地図上にマッピングする」
というもので、これだけ聞くと「たったこれだけのサービス?」と思うかもしれません。

このプロジェクトで作成された地図は実は地域の消防団にとってとても有用なものなのです。
特に雪が多く降る会津のような地域では消火栓が雪に埋もれてしまうため消火活動が遅れてしまうという問題がありました。

当初、消火栓や防水層の位置データは紙面で、且つ複数の場所で保管されていたため場所によって管理する情報に差異があったという事実があり、それを防ぐために消火栓・防水層の位置情報のデジタル化、さらに一元管理の方法として「オープンデータ化」と「デジタルな地図上での可視化」が検討され地元に住む有志の活動によりプロジェクトのサイトが制作されました。

会津若松市消火栓マップ
http://aizu.io/app_list/hydrant/

TOPページ

消火栓マップ

今回、IODD会津では全国消火栓プロジェクトの事例を活かし、他の市町村の消火栓データについて同様のサービスを立ち上げました。その様子は記事の後半で報告します。

イベントの内容
さて、今年のIODD会津では以下の3つのテーマを掲げ開催しました。

テーマ1・・・「行政課題ハック
テーマ2・・・「データアナリティクス
テーマ3・・・「全国消火栓プロジェクト

です。ここでは前述したテーマ3以外のテーマについて紹介します。

1つ目の行政課題ハックは行政が今困っていることやそれらに関するデータを集め、市民の力で解決できるアプリの制作を行うことが目的です。

2つ目のデータアナリティクスは、データアナリティクスを勉強した弊社会田がその手法を用い、会津若松市にお店を出店する際の最適な場所のシミュレーションを行った考察を交えて発表しました。

以下、それぞれについて簡単にご紹介します。

テーマ1「行政課題ハック」
行政の課題ということで、チームには会津若松市役所の本島様にもご参加いただき現場の声を語っていただきました。そこで出たテーマが「ごみ集積場所とごみステーションの場所の可視化」です。

会津若松市内に指定されたごみ集積場所とごみステーションの場所はこれまで紙面で管理されており、更新や運用の面でデメリットが多かったようです。この機会にデジタルの地図上にマッピングしてみたいということで作業がスタートしました。


このテーマの課題でなったのは、データのソースが「紙」であるという点です白黒の地図にマーカーでしるしがつけられているだけの紙の地図からどのようにデジタル化するのか?

チームが選んだのはSpotPickerというWebアプリです。
これは行政課題ハックチームのリーダーでもある前田さんが代表を務めるデザイニウム社で制作したもので地図の任意の場所をクリックするとそこの緯度経度が取得でき、それらをまとめてCSVとしてダウンロードすることができるというものです。

このツールを用いて紙の地図を見ながら、パソコン上に表示された地図を合わせおおよその場所をクリックし緯度経度を拾い上げ、CSVに変換することでオープンデータ化するという手法が選ばれました。


作成されたデータセットは会津オリジナルのオープンデータプラットフォームである「Data for Citizen」にアップロードされ、最終的にこのような地図が出来上がりました。

会津若松市ゴミステーション・集積所マップ
http://www.data4citizen.jp/app/developer/app/brgZZVWyUX/html/index.html

TOPページ
マップページ
テーマ3「全国消火栓プロジェクト」

このチームでは、すでに稼動している会津若松市版のシステムを活用し他の市町村の消火栓マップ作りを行いました。

今回は

・静岡県裾野市
・岩手県滝沢市

の2つの市の事例作成です。

どちらもデータのオープンデータ化と消火栓位置情報の可視化をするわけですが、今後ビジネス展開を見据え「全国の市町村に展開できるようにパッケージ化を行う」という目標を設定しました。

・裾野市版の開発

裾野市版制作においては、データがすでにLinkDataに掲載されていたため会津若松市版の仕組みをそのまま適用することで容易に可視化を行うことができました。ただし会津若松市版を他の市町村版に対応させるためにプログラムの内容を一部弱冠修正する必要があり、パッケージ化としてはまだまだ改善の余地があるといった印象です。

完成したのはこちらです。
http://openpublic.info/susono/search3.php?q=%E8%A3%BE%E9%87%8E%E5%B8%82%E5%BD%B9%E6%89%80

・滝沢市版の開発

こちらはデータがLinkDataではなく緯度経度情報が入っていない状態のExcelファイルと、テーマ1と同じようなペンでマークがつけられている道路地図があるだけところからのスタートとなりました。

データソースの道路地図

今後も同様な状態からスタートすることも十分に考えられるのではということで、紙のデータをデジタルに変換する作業を伴う後者から開始。

この作業を行うに当たり

・データ入力
・共通語彙検討
・マップ開発

という3つの小さなグループに分け以下の作業を行いました。

・データ入力グループ
チーム1でも使用していた「SpotPicker」を使い、道路地図1ページごとに手作業で位置情報を取得。2人が同時に作業を始め最終的に統合し、1つのCSVデータを作成しました。

・共通語彙検討チーム
全国で使ってもらうサービスを目指すためCSVやRDFを作成するにあたりファイル内の項目名を決める必要があります。

・各市町村の担当の方に収集してほしい項目は何か
・その項目名をどのように決めるか
・現在決められている共通語彙を調べる

といった語彙に関する部分を担当しました。

・マップ開発チーム
主にデータ入力チームが作成したデータを扱うためのサーバとプログラムの準備です。会津若松市が独自で構築したオープンデータプラットフォーム「Data for Citizen」からデータを取得するためのプログラムが必要になるため、既存のプログラムの修正も行いました。

最終的にそれぞれの成果を統合させて一つのサイトに仕上げました。

岩手県滝沢市消火栓マップ
http://openpublic.info/takizawa/search3.php?q=%E6%BB%9D%E6%B2%A2%E6%9D%91%E5%BD%B9%E5%A0%B4

イベントの最後は各チームが進捗を発表。

チーム1「行政課題ハック」

チーム2「データアナリティクス」

チーム3「全国消火栓プロジェクト」

今回、どのチームもそれぞれ設定した目標には到達できなかったものの、イベント後も有志で進めていくということが決まり完成版への期待が高まります。IODDをきっかけに新たなプロジェクトとプレイヤーがうまれ会津のオープンデータがより一層前進する機会となりました。

2014年2月26日水曜日

【お知らせ】オープンデータ・カフェin大垣~コミュニティ・オーガナイジングで地域を巻き込む~

2014年2月28日は、今話題のコミュニティ形成手法である「コミュニティ・オーガナイジング」の考え方とその手法を体験する場となります。


▼日時:2014年2月28日(金)18:00~21:00

▼場所:ドリーム・コア2F メッセ(大垣市今宿6-52-16)

▼参加者数:20名程度(参加無料)

▼申込先:下記より申し込みください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/a232a03f268941


▼主催:株式会社CCL

▼プログラム(予定):
18:00-19:00 コミュニティ・オーガナイジングの基本
19:00-21:00 コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ

▼講師:Community Organizing in Japan コーチ 
          柳澤 龍 (やなぎさわ りゅう)氏
    ハバタク株式会社 
          丑田 俊輔(うしだ しゅんすけ)氏 

コミュニティ・オーガナイジングは、市民主導で政府や企業などの様々な主体を巻き見ながら自分たちのコミュニティをよりよくしていく手法として注目され、ハーバード大学公共政策大学院のケネディスクールにおいて、研究と実践が進められています。

また、コミュニティ・オーガナイジングの泰斗であるマーシャル・ガンツ博士は、2008年の米国大統領選挙でバラク・オバマの選挙参謀としても知られるなど、徐々に日本においてもその有用性が知られるようになっています。

日本でも先日、コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ・イン・ジャパン実行委員会が主催となって、NPOの代表者や経営者を集めたワークショップが開催されるなど、その重要性が認識されるようになっています。
その様子は、NHKクローズアップ現代でも取り上げられるなど、これからの日本、そして、地域づくりの最重要なスキルとして期待が集まっています。

※NHKクローズアップ現代の様子はこちらをご覧ください!
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3448.html

オープンデータ・カフェでは、これから地域においてオープンデータを活用した新たなイノベーションを生み出すために、日々、関係者が集まり、議論を行ってきました。

また、(株)CCLでは、岐阜県の支援を受け、岐阜県内、東北においてオープンデータの利活用について調査、実践を進めていますが、これまでの取組において我々がオープンデータ活用の重要な視点として、オープンデータは、行政やIT関係者だけのものではなく、市民・企業・行政が一緒に地域の未来について語り、その繋がりの力を活かしてこそ、有用なものになるということが大切であるということでした。

つまり、オープンデータ活用にはコミュニティ形成が極めて重要であるということになります。

その時、「コミュニティ・オーガナイジング」は一つのヒント、きっかけを与えてくれるかもしれません。

ぜひこの機会に最新の手法を学び、語りたいと思いますので、皆さん振ってご参加ください。

※講師紹介
柳澤 龍 氏
(所属)
株式会社ガイアックス所属。
CommunityCrossingJapan ワークショップディレクター。Community Organizing in Japan コーチ。
ウェブメディア“ITMedia”ライター。
(活動)
“東京を編集する”をコンセプトにした集団「TOKYO beta」、イベントを軸にしたシェアハウス「まれびとハウス」立ち上げメンバー。時代にあった美術館・博物館・公共施設のあり方を研究しながら、アートや政治と街を身近にするプロジェクトや学びのコミュニティの構築を実践中。大学院では山梨県北杜市、甲州市へのオンデマンドバスの導入に尽力。ガイアックスでは、学校向けネットパトロール事業の運営に関わりながら、ソーシャルメディアリテラシーの講演(約100回)、ソーシャルメディアについて学ぶ授業プログラムの提供(羽衣学園高等学校)、市民向けに社会を変えるソーシャルメディア活用講座の実施(目黒区社会教育館)など実施。東日本大震災以降、都会での大型大震災に備えて共助のコミュニティ作りに参加するべく、CommunityCrossingJapanにて防災ワークショップを実施。


※コミュニティ・オーガナイジングについては、下記サイトをご覧ください。
http://communityorganizing.jp/


丑田俊輔氏
(所属)
ハバタク株式会社代表取締役
東京・ベトナム・秋田を拠点に、世界各国の教育機関や起業家と連携しながら、教育機関・個人・企業向けの教育プログラムや、国境を越えたビジネス共創の場をデザインしています。
URL:http://www.habataku.co.jp/

【イベント案内】いなかソン第2弾!「地域の宝を掘り起こせ!第一次産業×ITで地域を輝かせる!~農家ソン~」

地域の宝をITで掘り起こせ!

映画「釣りキチ三平」のロケ地にもなった秋田県五城目町で、現地の人々との交流から、まちづくり関係者との連携による新サービス開発を目指したワークショップを開催します。

今回は第2弾としてテーマに「第一次産業×IT」を掲げ、前回よりもさらに深く地域を支える産業の魅力を知り、新たなサービスアイデアとその試作品(プロトタイプ)の開発を目指します!
※2013年11月に実施した「いなかソン第1弾」の様子はこちらから

第1弾 いなかソンの様子

会場は、昨年廃校となった旧馬場目小学校。木造2階建てのキレイな校舎で、自然や地元の食を堪能しながら、ハッカソンに挑んでみませんか?

地域の未来や、地域発ビジネスづくりに興味のある方も、是非ご参加ください。

ご同行のご家族向け参加プログラムもあり!ご家族連れ歓迎です!

▼日 時:2014年3月21日(金・祝)13:00 - 3月22日(土)17:00
▼会 場:五城目町地域活性化支援センター
    (秋田県南秋田郡五城目町馬場目字蓬内台117番地1)
▼主 催:株式会社CCL
▼共 催:ハバタク株式会社
▼協 力(予定):五城目町/Fandroid EAST JAPAN秋田支部(FEJ秋田)/秋田IT県人会
▼参加費:無料(交流会費 ¥3,000・宿泊代別途自己負担/要事前申込)
▼定 員:30名

▼参加申込:以下リンク先よりお申し込みください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f796ca44285872

▼対象者
・ハッカソンに参加したいIT技術者・デザイナーのみなさま
・地域おこしに関心のある企画者・地元住民のみなさま
・一次産業を活用したビジネス・観光に興味のあるみなさま
・秋田の田舎で自然や人、食事を楽しみたい参加者のご家族のみなさま
・都会から五城目、秋田を応援したいみなさま

▼コンセプト
【田舎と食を楽しもう!】
田舎暮らしをテーマとした廃校ハック!木造2階建ての校舎を活用しながら、のびのびと開発ができます。初日の夜には、校舎の中で郷土料理を楽しむ交流会も開催予定。田舎のよさをたっぷり味わいます。

【家族で楽しもう!】
週末でITイベント参加が続き、家族の目線が気になるエンジニアのみなさま。いなかソンは、家族を大事にするあなたの味方です。ハッカソンに並行してご家族向けのレクリエーション企画も準備中。町に繰り出したり、美味しいものを食べたりだいっ自然の中でゆっくり時間をすごしたり。ご旅行がてらご家族でのご来訪、大歓迎です!

【ハッカソンを楽しもう!】
今回のいなかソンは、前回より更にパワーアップ!「第一次産業×IT」をテーマに掲げ、3つのパートで地域・田舎の魅力を知りながら、プロトタイプ開発を目指します。

(1) インプット編 〜田舎とIT、農商工連携を学ぼう
田舎とIT、農商工連携について理解を広げます。

(2) アイデアソン編 〜コミュニティビジネス・地域活性化のアイデア創出ワークショップ
第一次産業にスポットをあて、田舎の誇れる素材を地域の宝として発掘し、ITとあわせた活用の道を探ります。

(3) ハッカソン編 〜自然の中でモリモリ開発!
みなさんの腕を存分にふるっていただく場です。アプリ、WEB、デジタル工作、ものづくりなど、どんな技術も歓迎です!

▼プログラム&タイムライン(予定)

【プログラムA:IT技術者・デザイナー向け】
3月21日(金)
13:00-13:10 開会ごあいさつ
13:10-15:00 コミュニティビジネス&地域活性化セミナー
 テーマ:「農商工連携による地域活性化の極意」
 ※講演者決定次第掲載予定。
15:00-15:15 休憩
15:15-18:00 地域活性化アイデアソン
 テーマ:「五城目町の第一次産業を盛り上げるためにどんなサービス・商品が必要か」
 ファシリテーター:
  原 亮(株式会社CCL取締役/FandroidEASTJAPAN理事長)
  丑田俊輔(ハバタク株式会社代表取締役)
  須藤順(株式会社CCL取締役/コミュニティ・デザイナー)
                
19:00- 交流会
     (会場内にて地元郷土料理など ※会費制・要事前申込 3000円)
20:00以降  ITサービス試作品開発ワークショップ(ハッカソン)


3月22日(土)
9:30-12:00  ITサービスプロトタイプ開発(ハッカソン)
12:00-13:00 中間報告
13:00-15:30 引き続きハッカソン
15:30-17:00 成果発表会(プログラムA,B共通)


【プログラムB:企画業務・まちづくり関係者向け】
3月21日(金)
13:00-13:10 開会ごあいさつ
13:10-15:00 コミュニティビジネス&地域活性化セミナー
 テーマ:「農商工連携による地域活性化の極意」
 ※講演者決定次第掲載予定。
15:00-15:15 休憩
15:15-19:00 地域活性化アイデアソン
  テーマ:「五城目町の第一次産業を盛り上げるためにどんなサービス・商品が必要か」
  ファシリテーター:
  原 亮(株式会社CCL取締役/FandroidEASTJAPAN理事長)
  丑田俊輔(ハバタク株式会社代表取締役)
  須藤順(株式会社CCL取締役/コミュニティ・デザイナー)
19:00- 交流会
   (A,B共通 会場内にて地元郷土料理など ※会費制・要事前申込 3000円)


3月22日(土)
10:00-11:30 地域活性化アイデアソン
     ファシリテーター:
      原 亮(株式会社CCL取締役/FandroidEASTJAPAN理事長)
      丑田俊輔(ハバタク株式会社代表取締役)
      須藤順(株式会社CCL取締役/コミュニティ・デザイナー)
11:30-12:30 休憩
12:30-15:30 セミナー&ワークショップ

「秋田県における農林業観光の可能性  〜地域資源を継続的に活用し発展させる極意〜」
少子高齢化の進行する秋田県において、持続可能な地域づくりを進めていくには?「農林業観光」「インバウンド集客」の視点から、観光事業のプロフェッショナル剱持勝氏による講演と、自地域の地域資源を軸とした計画づくりワークショップを行います。

■講師
釼持 勝(ケンモツ マサル)氏 / eResort Inc.代表
地域経営及び観光事業のコンサルタント。北海道ニセコひらふ地域の改革(2002年から5年で外国人客数を約20倍に増加)をはじめとして、数々のスキーリゾートの再建を担当。秋田県中期観光振興プラン検討委員兼アドバイザー(2009年)、長野県のスキー場再興支援やソーシャルメディア活用のアドバイザー等も勤める。
・越後湯沢の岩原スキー場に15年間勤務(財務および企画等複数部署の統括責任者)
・NPO観光情報学会 元理事(「観光情報学」という言葉を生み出した)
・北海道大学大学院 情報科学研究科 元非常勤講師
・H.I.S国内旅行事業本部 元顧問
・長野県観光振興アドバイザー(現在も継続中)

15:30-17:00 成果発表会(プログラムA,B共通)

※(注意)プログラムは暫定のもので、今後順次確定、変更になる可能性がございます。

※株式会社CCLについて
フリーエージェント・スタイルで地域の課題を多様な主体や領域が交わり、対話を通じて解決する場(フューチャーセンター)を創造し、関わる全ての人・組織・地域の主体性と創造力を引き出すための事業を展開しています。
URL:http://cc-lab.co.jp/

※ハバタク株式会社について
東京・ベトナム・秋田を拠点に、世界各国の教育機関や起業家と連携しながら、教育機関・個人・企業向けの教育プログラムや、国境を越えたビジネス共創の場をデザインしています。
URL:http://www.habataku.co.jp/

International Open Data Day 2014 仙台 開催しました!

東日本大震災からまもなく3年。都市で暮らす人々が防災・減災で生活を守るためのデータ活用とは?避難所情報や人口統計など、都市や災害にまつわるあらゆるデータを、私たちはどう読み取り、使いこなせばよいのか。2015年に仙台で開催される「第3回国連防災世界会議」を控え、仙台ならではの経験と視点で造り出すワークショップを実施しました。

防災・減災に関するワークショップを実施するにあたって、まず、防災・減災の現場で取り組む3人のゲストから話題提供がありました。

○六郷・七郷コミネットの吉田氏からの話題提供

話題提供のトップバッターは、仙台市若林区で仮設住宅でのコミュニティ支援を行う六郷・七郷コミネットで復興支援である吉田圭俊氏です。六郷・七郷コミネットは、仙台市若林区荒井地区を中心とした仮設住宅の被災者の方々が、仮設住宅退去後に、新しい場所での日常生活を取り戻せるように支援を行っている団体で、仮設住宅内での「サロン、交流事業」、昔の同地区の状況を紹介する冊子事業である「ふるさと継承」事業や「ネットワーク構築事業」を展開されています。
現場の課題点として、被災者の「住環境の変化」が大きな課題になります。仙台では、みなし仮設だけで8000件あると言われています。こうした状況からサポートしている人がどういう人がいるのか把握できていない状態です。仮設住宅退去後、サポートが必要な住民を把握するためにも住民情報が必要なのですが、個人情報の壁に阻まれているとのことでした。

○Code for Shiogamaの小泉氏から話題提供

宮城県塩竈でITを活用して、塩竈市の活性や復興支援を行うCode for Shiogamaの小泉勝志郎氏から同団体の取り組みについて話題提供がありました。
元々、小泉氏はオープンデータの活用をされており、経済産業省が運営しているオープンデータアイデアボックスに様々なアイデアを登録されていました。その他、塩竈市でまちあるきをしながら、オープンストリートマップで観光情報だけでない地域の情報をマッピングすることやIT町内会など、様々な活動をされています。
こうした活動の原動力として、継続するために楽しさを出していくことや消費者にとって本当に役立つものであるかどうかが重要な視点であるとのことです。それは、オープンデータとしても同じことで、シビックテック≠オープンデータではなく、アイデアで留まらず、しっかりと形にしていく重要性について語られました。

○日立ソリューションズ東日本庄司氏からの話題提供

東日本大震災の発災を受けて、同社では、見える化、テキストマイニング、サプライチェーンマネジメントなど自社の持っている技術を活用して、被災地の復興を携われています。
携帯電話のネットワークは、通話、メール、リッチメディアコンテンツの中で、リッチメディアコンテンツに容量を多く割いています。震災時、通話・メールはつながらなくても、youtubeには入れたというのは、そういったことが背景にあると言われています。同社でこうした問題から災害に役立つ情報通信サービスの実証を行っておられます(例えば、安否情報一覧参照と配信、避難経路や遺体歯科観察のデータ入力と試作検証など)。
こうした仕組みを実施していくにあたって、市民提供情報をどう集めるのかという点や集めた情報をどう統合していくのかという点が課題であるとのことでした。






○アイデアワークショップ

3人のゲストの話題提供を受けて参加者同士で「防災・減災×IT・オープンデータでできること、または、あったらいいこと」のアイデアを出すワークショップを行いました。様々なユニークなアイデアが発想されました。発想されたアイデアは下記のリンクをご参照ください。なお、本アイデアはオープンデータとして公開しています。

 スライドシェア(PDF)
http://www.slideshare.net/cc-lab/20140222-31560998


グーグルドキュメント(Excel)
https://drive.google.com/file/d/0B5f4S7CE3p_HNThnNDExRWpqQkU/edit?usp=sharing

経済産業省 情報政策課情報プロジェクト室長 和田恭 氏の講演

最後に、経済産業省 情報政策課情報プロジェクト室長 和田 氏より、経済産業省のオープンデータの取り組みについてご講演頂きました。経済産業省では、データ連携に必要となる語彙基盤の整備や地方自治体と連携した様々なオープンデータの実証実験をされています。例えば、自治体だけでなく民間企業と連携して、地下にある水道・電気・ガスの配管の見える化およびオープンデータ化の実証実験があります。

 こういった実証実験のように、行政・民間・市民の垣根を越えた連携がオープンデータには必要ということを実感できる講演でした。







2014年2月25日火曜日

2013年8月〜2014年1月 までのオープンデータ・カフェ 盛岡の開催報告書を公開しました

お世話になっております。株式会社CCL盛岡本社です。

大変遅くなってしまいましたが、盛岡本社が実施したオープンデータ・カフェ 盛岡 の開催報告書(2013年8月〜2014年1月)を公開いたしましたので、ぜひご覧下さい。


20130827 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.1 「オープンデータとはなにか?」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20130827-odvol1

20130924 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.2 「統計でなにができるのか」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20130924-odvol2

20131029 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.3 「統計を深く知る」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20131029-odvol3

20140114 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.4 「Linked Data を知ろう」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20140114-odvol4

20140121 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.5 「Linked Data を作ってみよう」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20140121-odvol5

20140128 オープンデータ・カフェ 盛岡 Vol.6 「Linked Data を使ってみよう」 開催報告書
http://www.slideshare.net/cc-lab/20140128-odvol6



CCL 大垣支社開催分のイベント報告書(2013年7月〜2014年2月初旬まで)を公開しています!

岐阜県「オープンデータを活用した新サービス創出・研究事業委託業務」のもと、株式会社CCL大垣支社で開催して参りました「オープンデータ・カフェ」、「オープンデータ・ハッカソン」、そして、有識者を集め大々的に行った「オープンデータ・フォーラム」の開催報告書をSlideshare(http://www.slideshare.net)にて公開しております。




オープンデータについて、参加者の皆様と学び、意見を交流させる場となっている、「オープンデータ・カフェ」報告書については以下に。


20130729 オープンデータ・カフェ「オープンデータ社会到来!ITは地域の何を解決できるのか」開催報告書

20130824 オープンデータ・カフェ「オープンデータ利活用に関する 海外の事例」開催報告書

20131002 オープンデータ・カフェ「市民の情報力を活かしたオープンデータの 活用可能性 ∼ 地域課題を市民の情報力で解決する ∼」開催報告書


20131011 大垣オープンデータ・カフェ「未来を創る対話の場!フューチャーセンター の役割と可能性」開催報告書


20131120 オープンデータ・カフェ「市民のための地域調査に向けて ∼まちなか共同研究室マイスター倶楽部の 経験から∼」 開催報告書


20131121 オープンデータ・カフェ 「アイデアソンのための素材集め」開催報告書

20131122 オープンデータ・カフェ「大垣アイディアソンのためのアイディアワーク」 開催報告書

20131126 オープンデータカフェ「デザイン思考の基本を学ぶ」 開催報告書

20131203 オープンデータ・カフェ「統計データ探し」開催報告書

20131209 オープンデータ・カフェ「分科会を観ようの会」 開催報告書

20131216 オープンデータ・カフェ「大学生と考える まちづくりアイデアワーク」開催報告書


20131218 オープンデータ・カフェ「輪之内町・ロールモデル開発のための ウォーキング・カフェ 」 開催報告書


20131219 オープンデータ・カフェ「繋がるオープンデータ「LOD」で、身近な 話題を解決しよう」 開催報告書


20140114 オープンデータ・カフェ「観光アプリ栄枯盛衰」開催報告書

20140203 オープンデータ・カフェ「環境保全とODの役割とは」 開催報告書


また、まる1〜2日をかけてアイデア出しからアプリのプロトタイプ作成までを行った「オープンデータ・ハッカソン」は、こちら。

20130921-23 オープンデータ・ハッカソン 開催報告書


オープンデータ・ハッカソンin gifu 開催報告書




オープンデータ・フォーラムについてのご報告は、こちら。

オープンデータ・フォーラム in gifu 開催報告書




ぜひ、ご覧下さいませ!


2014年2月24日月曜日

International Open Data Day in GIFU 開催しました!

 国際的なオープンデータ推進イベント、「International Open Data Day」!
去る2月22日、岐阜会場は、大垣市情報工房にて無事終了することができました!
ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました!



簡単ではありますが、ここで当日の内容を振り返ります!

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 岐阜会場では、地域課題解決の糸口を市民の皆さんと共に見つけたいという思いから、身近なテーマ「防災」を取り上げ、考える間口を絞るために「子育て」というキーワードを絡めた講演やワークショップを行いました。

【タイムスケジュール】
10:00-10:10 開会
10:10-10:30 オリエンテーション
10:30-12:30 講演
 「身を守るために防災を知る!」
 NPO防災支援ネットワーク 理事長 高木淳一氏
 「さんまの消えた放課後と子供の安全・安心」
 株式会社イープレイス 代表取締役社長 久世里美氏
13:30-16:30 ワークショップ
 「子供の安全を守る防災対策サービスを考えよう」
16:30-19:00 アプリケーション開発体験
 「みんなで作ろうオープンデータ!」

1. オリエンテーション
 













 
 まずは、弊社・國枝より、オープンデータについての説明と現在の活用事例をご紹介しました。今回のテーマが「防災」ということで、鯖江市の避難所マップ、会津若松市の消火栓マップの2例を紹介し、オープンデータが防災に活用できることをPR。また、岐阜県の取り組みについては、このイベントの前日に開催地・大垣市のオープンデータに関するページが設置された事も、ご報告できました!


2. 講演
「身を守るために防災を考えよう!」
特定非営利活動法人防災支援ネットワーク(大垣市) 理事長 高木 淳一氏

防災士の資格を持つ高木氏は、いわば「防災のエキスパート」。
防災において何が大切なのか、どういった部分が課題なのかを教わりました。


・岐阜県は「活断層の宝庫」
 このあたりは、「断層型」の土地。大垣市周辺には池田山、関ケ原、養老〜桑名〜四日市、鈴鹿山地の4つの活断層が存在しており、私たちはどこで地震被害を受けてもおかしくないところに暮らしている。
 明治24年の濃尾大震災は、マグニチュード震度6と、国内最大級の直下形地震だった。大垣も倒壊や火災で、市街は大垣城くらいしか残らなかった。先人は、見るも悲惨な状態を経験している。


・内陸の岐阜でも、津波は影響する?
 3.11当日、宮城県南三陸町志津川に津波が押し寄せる動画を視聴。荷物の持ち出しや家族の安否を気にして逃げ後れるケースが多く見られ、特に女性が多かった。まず自分の命を優先するのが大切。
 岐阜県は海がないので、津波のイメージがわきにくいかもしれないが、岐阜県内でも3.11当時、揖斐川で潮位が30cm上昇したという事実があり、内陸だからといって、津波が関係しないということはない。



















・命を守る、地震への備え
 一番大切なのは自分の命。地震で生き残るための「備え」は、家の耐震化と家具の固定以外にない。耐震化については、1981年の耐震基準の前か後かで判断、前なら診断が必要かも。自治体の助成制度や税制優遇などがあるので、うまく利用を。

 また、家具の固定方法について。固定金具の種類は多様で、L字、ベルト・チェーン式、収納ユニット式など様々。まず、日頃からできることは、寝る部屋に何も置かないこと。


・家族と話そう!
 災害発生時の家族との連絡方法を話し合っておく。避難場所、道順の確認。災害伝言ダイヤル(171)などの活用。非常時に無料になる公衆電話も、かけるには10円、100円が必要。非常持ち出し袋に小銭を入れておくと良い。


・まとめ
 地震対策は、「価値ある無駄」。地震は自然災害だが、その対策の間違いや遅れは「人災」になる。日本が「地震国」だということを心得ておく。
また、どんな知識や備蓄よりも近所付き合いを見直す。みんなとあいさつすることが、大きな防災になる。


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「さんまの消えた放課後と子供の安全・安心」
株式会社イープレイス(大垣市) 代表取締役社長 久世里美氏


・放課後から消えた「さんま」?
 いま、小学校13年生は、年間の放課後時間が、学校にいる時間より長い、具体的には、2013年厚労省調べで、1681時間。
 「さんま」とは、3つの間のこと。時間、空間、仲間。「さんま」が消えた子どもたちは、家でゲームばかり、コミュケーションが苦手、ストレスに弱いなどの状況に陥っている。母親の就労率の増加などが原因となり、「子どもだけで平日放課後・長期休暇を過ごす」、「家庭の経済および文化による放課後格差」、「ゲームの増加による、室内遊びの増加」といった状況になってきている。こういった現状を受け、学校や市町村は、学童保育の受入年齢引き下げ、メール一斉配信での不審者情報、見守りボランティアなどで対応している。


・災害発生時、子どもは?
▷災害時、緊急時、台風時の対応
 ・学童保育は行わない
 ・一斉メールによる連絡通知
 ・学校への個々の連絡の禁止それでも問い合わせ殺到
 ・徒歩でのお迎えの推奨それでも親が車で来る
 ・「学校待機」か「集団下校」判断は学校併用不可。集団下校で帰っても親が帰宅困難者のケースも発生しうる。PTAも協力が困難。
 放課後、子どもだけで家にいる世帯が増加。子どもは親の携帯番号を知らない。避難場所は学校だと思い込んでいる。などの問題があるため、いざという時に、子どもたちが対応できる防災訓練や対策が必要。














・子ども向けの防災対策
▷防災対応クロスロードカード、防災すごろく。
▷地域での事例:岐阜市立三里小学校では、PTAに父親だけの「おやじの会」。父親と子どもだけの防災キャンプを開催。各務原市では「子どもサバイバルキャンプ」。無人島でサバイバル体験をする「各務野冒険塾」。自衛隊の協力で、テント、ロープ結び、簡易トイレ、自炊、野菜栽培など。災害時のリーダー育成として、「各務野冒険レンジャー」の認定。


・まとめ:ポイントは「家族・地域で考える」
 子どもは、近所のおじさんの顔を知らない。子どもを持つ世帯の防災の取り組みの参加が少ない。高校生・大学生世代の参加もない。放課後の行動に、学校は指針を置いていない。地域の防災組織の高齢化。
 ストレスに強い子ども、近所で自然にコミュニケーションが取れる子どもたちを家庭で、地域ぐるみで育てて行く事が、防災へもポジティブに働くのではないか。

 
 参加者の中には、実際に東日本大震災で被災した、宮城県仙台市の方々もいらっしゃって、アンケートの感想では、


「地域が違えば、地震のタイプも違います。各地の違いが出る中、子どもが安全に災害時過ごせるようにするにはどうすればいいか…改めて考えさせられます。」
「身の回りで、家具の固定が不十分な場所があるのを思い出し、見直そうと思いました」

「子どもが親の連絡先を知らない、というのはその通り、かえったらケータイのメモを持たせよう」
「災害時の学校において、下校の伝達の見直しが必要と感じました」

などの意見をいただきました。
そういったインプットになる講演を受けて、お昼からは、


3.アイデアワークショップ

テーマ「子どもの安全を守る防災対策サービスを考えよう!」

 4人1グループで開催。まずは、各自で「フク(不・苦)ワーク」を実施。「災害時に困りそうな事」を課題に、8つのマスに、アイデアを記入。それをグループ内でシェアし、気になるアイデアに☆をつけていきます。

 













 
 続いて、☆が多いアイデア(困り事)からグループで1つを選び、課題文にあてはめます。その後、問題の解決策を、1枚のシートにつき一人3つずつ記入。こうすることで、4人で48個と、多くのアイデアを一気に出す事ができます。
 48個のアイデアの中から、再び「気になるもの」「発展しそうなもの」に☆をつけて回します、☆がついたアイデアのマスを切り取り、カードにしたら、模造紙の上に並べて、似たアイデアたちを分類。分類したそれぞれのジャンルのなかから、「選抜アイデア」をグループで決め、それをもとに各自で「サービスアイデア」を考えます。


 
 













 続いて、個人で出したサービスアイデアを醸成するための「ブレインストーミング」。全員起立して、目が合った別のグループの誰かとペアになり、5分間の意見交換!これを4回繰り返します。意見交換をすることで、アイデアがもっと具体的になったり、良い方向になったりする効果が期待されるのです。
 そして、「アイデア・スケッチ」という用紙に、サービスアイデア、そのアイデアの特徴3つを記入。全員でスケッチを見て回り、「面白いもの」にまた☆をつけていきます。この方法で絞り込まれた「GOODアイデア」を発表してもらいました!
















13個…お風呂マップ
災害時にどこでお風呂が入れるのかが分かる地図。実体験をもとに考案。
11個…ボイスシグナル
アプリに任意の単語を登録しておくと、災害時にそれをスマホに向かってしゃべると保護者にメールが送られる。
11個…災害時にお風呂へ入れるかわかるマップ
銭湯位置などオープンデータを利用する。今銭湯の前に何人並んでいるかもわかる。
10個…ここ危険 水害時など危険な場所をマップにしてある。
10個…災害時に保護者宛にメールが入る。学校へ誰が代わりに子どもを迎えに行くかがわかる。従来の登録制をもっと柔軟に運用できるシステム。
情熱枠…家族がどこに行ったかわかる位置情報サービス


 以上のように、オープンデータを活用して実現できそうなアイデアも多く出た、充実した時間になりました!エンジニア&デザイナーさんのご参加が多かった今回、ぜひ、どれかアプリを実現させてください!?



5.みんなで作ろう!オープンデータ
 最後に、オープンデータ作成支援サイト「LinkData.org」を使用した、アプリケーション開発体験を実施しました。

 














 サイトの「チュートリアル」手順を参考に、ひな形のファイルを作成。データは、大垣市が公開しているデータや、スタッフがこの講習の為にPDFのイラスト画像等をエクセルファイルに変換した、大垣市や周辺自治体の避難所データ。
 任意でデータを登録し、実際の地図画面を見てもらうと、登録したデータの通り、地図が刺さっていることが確認できました。!


 今回はアプリなどのサービスを開発する「ハッカソン」のようなイベント形式では行いませんでしたが、市民に身近な課題「防災」と「子育て」をテーマにしたことで、その分野のオープンデータの存在を知ってもらう機会にもなりましたし、ニーズに即した新しいサービスが生まれる日が近いのでは!?と思えたイベントでした!

開催当日は、Facebookでも実況中継していました!
よろしければご覧下さい!

https://www.facebook.com/events/677710685614274/



ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!!