2014年2月1日土曜日

【レポート】オープンデータカフェ会津Vol.5 「街歩き×オープンデータ」を開催しました。



去る1月25日(土)に第5回オープンデータカフェ会津を会津若松市で行いました。今回はその模様をレポートしたいと思います。

ODカフェ会津ではこれまで講義や講演、ワークショップなど屋内での活動を中心に活動しておりましたが、第5回目は場所を屋外に移し「街歩きとオープンデータ」をテーマに、参加者全員で市内の街歩きを敢行しました!

もちろん、単なる街歩きではありません。

今回「OpenStreetMap」(以下、OSM)というオープンソースの地図サービスを用いて、参加者が街歩きで見つけてきた「気になるもの」、「おもしろいもの」、「変わったもの」、「初めてみたもの」など様々な”宝”をOSMに登録していく「OSMマッピングパーティー」を行いました。登録したデータはOSM上で誰もが利用できるデータ、いわゆる”オープンなデータ”になります。これも一つのオープンデータですね。

さて、この日のODカフェはまずそのOSMの紹介からスタートしました。
この日のため、オープンストリートマップファンデーションジャパンの理事でいらっしゃる井上欣哉さんにもお越しいただき、参加者の皆さまにOSMの紹介をしていただきました。


簡単に説明しますと、OpenStreetMapはWikiのようの誰もが自由に編集できるオープンな地図です。誰かが登録したデータは他の誰かが利用することができ、またリアルタイムに更新されるため場所によってはGoogle Mapよりも詳しい情報を得ることができるサービス、ということができます。

OSMは2004年にイギリスでスタートしました。
その後2007年に東京でもマッピング活動が始まり、その翌年(2008年)に井上さんはOSMに参加したそうです。OSMが世界的に認知、広まったのが2010年のハイチ地震。当時、ハイチに関する詳細地図はOSMを含めたどの地図サービスでも存在しなかった中で、震災翌日から世界中の有志がOSMに集まり約2週間で詳細な地図が出来上がり、地図中に避難場所なども登録され救済活動に大きく役立てられたそうです。

OSMでなければできない最大の特徴ではないでしょうか。

現在、世界のOSMユーザ登録者数は100万人以上。そのうちの約5%~10%がマッピングユーザとされています。(東京には約130名のマッパーがいるそうです)

このあとマッピング作業を前提にした街歩きをすることに関し、井上さんが2つのポイントを教えてくれました。

・交差点に信号機があるかないか。
・車が通れる道か、通れない道か。

これだけでもわかると地図にとって有益だそうです。私も覚えておきます。

さていよいよ街歩きです。4~5人ごとの3チームに分かれそれぞれ1枚地図を持ちスタート。制限時間は1時間です。

二手に分かれるチームもあり。

のんびり歩くチームもあり。

親子連れもいらっしゃいました。

各チームそれぞれに特徴(作戦?)があり、また街歩き自体を楽しんでいたようにも感じます。

街歩きが終わるといよいよOSMに集めてきた情報をマッピングする作業に入ります。まずマッピング方法について説明があり、そのあとチームの代表者がユーザ登録を行いました。マッピング方法は思っていたよりも簡単という声があり、私もみなさんの作業を覗かせていただきましたが、どなたもスムーズに行っているようでした。

なんだか楽しそうです。


時間が経つにつれて「一方通行の入れ方は?」、「廃墟というカテゴリがある」、「給電ポイントの入れ方は?」などかなりマニアックな質問や気づきが飛び交うなど・・・参加者のみなさんの飲み込みの早さに驚かされます。

マッピングが終わると最後は各チームによるマッピングの成果発表です。それぞれどんなポイントをマッピングしたか、その数と面白さを参加者全員がジャッジします。

1チーム目は、
・OSM内の間違ったルートを修正
・通称しょんべん横丁を作成
・OSM内の未登録ルートを発見し登録
・「社長専用駐車場」という看板を発見(?笑)

2チーム目は
・一方通行、小道、バス停、公衆電話を登録
・OSMにない飲み屋さんをいくつか登録
・私有地でも車が通れる道を登録

3チーム目は
・廃墟、石碑を登録
・電話ボックス、信号機を登録
・文様オブジェの柵を登録
・EV給電スタンド
・月ぎめ駐車場を登録
・カテゴリを修正

という結果に。それぞれがおもしろいくらいにバラバラの結果となりました。さてジャッジはというと・・・僅差で3チーム目が選ばれました。おめでとうございます◎(景品はありません 笑)

参加されたみなさま、楽しんでいただけたでしょうか?
今回は街歩きを楽しみながらもその成果をオープンにし”誰かのために役立てる”ことを体験していただきました。また、多くの方にお集まりいただきましたがどなたも最後まで挫折することなく楽しんでおられ、ITに精通している人とそうでない人がうまく融合し一つの目標に向かっていく様子を目の当たりにすることができました。

「誰かの役に立つこと」は関わる人たちを一つにする力があるようです。
これがオープン(ソース)の力ではないでしょうか。

運営者にとってもすばらしい一日となりました。
ありがとうございました。

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