開催概要:
"昨年7月には電子行政オープンデータ戦略が策定され、今年6月14日には世界最先端IT国家創造宣言が閣議決定されました。
そして世界では、6月17日、G8サミット首脳宣言で「オープンデータ憲章」が発表されました。いまや「オープンデータ」は、人類がさらに成長続けるためのイノベーションの切り札とまで言われるようになっています。
ITのまち鯖江から発信する”IT推進フォーラム”。今年は、未来を拓く”オープンガバメント”について、全国で先進的に活躍されている
皆さんに語り合っていただきます。----------"(フォーラム・チラシより引用)
第1部:「21世紀を代表する行政の姿とは」15:20〜16:25
会津若松市副市長・田辺氏、千葉市CIO・三木氏、佐賀県CIO・森本氏、鯖江市長・牧野氏、モデレータ・勝屋氏
まず、鯖江市長牧野氏からこれまでの歴代3市長のオープンガバメントに向けた市政の歩みの振り返りがありました。
勝屋氏から「何故鯖江が全国的に注目されているのか?」という問に対して牧野市長から「市民憲章(1990)や市民主役条例(2010)など昔から市民の市政参加の雰囲気が醸成されていた。たまたまオープンデータを早く始めたので注目された。」と回答がありました。
次に、会津若松市の田辺副市長から元々市役所内でオープンソースのオフィススィートを使っていたこと、会津大学発のITベンチャーの強み、「スマートシティ会津若松」構想のご紹介がありました。
続いて三木氏より千葉市が取り組むビッグデータ/オープンデータ施策として「ちばレポ」事例の紹介、「ガバメント2.0」構想の紹介がありました。 千葉市は都市型なので単身者・学生はコミュニティに参加しにくいところがあったので「ちばレポ」では参加しやすいようポイント制度を作ったりITを使う工夫をしたと考察していただきました。
佐賀県の森本CIOから実は佐賀県はまだオープンガバメントをやっていないが、若手や現場中心にタブレット端末で仕事のやり方効率よく変えた事例など下準備は進めている。
勝屋氏から「オープンガバメントと推進に何が足りないか?」という問に対して、森本氏から「まだjig.jpに当たる存在が佐賀県にはない。 高専と大学がないのがつらい。」と回答がありました。
第2部:「ITのまちに期待すること」16:30〜17:35
ウィズグループ・奥田氏、内閣官房IT総合戦略室・早田氏、Google・藤井氏、モデレータ・本庄氏
まず、内閣官房の早田氏より政府のオープンデータ政策を統括する立場からお話されました。世界最先端IT国家創造宣言からG8サミット首脳宣言で日本のオープンデータ・アクションプランを示す流れを説明されました。
本庄氏より「この政府の流れは市町村に広がっていくものでしょうか?」という問に対して、早田氏から「まず政府自らがやって行く姿勢を示す。政府からは地方自治体に義務付けしていない。」と回答がありました。
次に、ウィズグループの奥田氏から「ないないづくしの地域におけるITでコミュニティの育成」と題して、徳島県の人材育成事業を受けて、現地のエンジニアや行政の意識を変えてハッカソンを初めて開催した経緯をお話くださいました。
奥田氏から「四国の右下ITふるさと村」の事例ではiPadをお年寄りに与えただけでは使えるようにならない。あらゆる層・世代がITを活用できるよう時間をかけて育てていくのが大事というお話をいただきました。
続いて藤井氏よりGoogleのようなグローバルなプラットフォームが、東北の経済復興にどうやって支援できるかというお話で、クラウド・マッチングやGoogleAppsを使ったコミュニケーション支援を主に行ったと発表がありました。
第3部:「オープンな未来に向けて今からできること」17:40〜18:45
神奈川工科大学/W3C・一色氏、リンクトオープンデータイニシアチブ・小林氏、Georepublic Japan/Code For Japan・関氏、立命館大学・西田氏、モデレータ・Jig.jp・福野氏
福野氏「ビジョナリーガバメント=世界最先端IT国家創造宣言はカッコイイ。10年後は全員市長=SimCityのような世界を目指そう。1部2部を聞いて感想は?」
一色氏「深刻な福野君不足(笑)」
関氏「意識高い系ではない普通目線の人が参加できる仕組み作り。」
福野氏「行政の人にやって欲しい具体的なアクションは?」
小林氏「Webを活用して行政のデータをどう活かしていくかという活動をしています。」
福野氏「福井市のホームページは全てオープンデータ。クリエイティブ・コモンズ意思表示するだけでオープンデータになります。」
勝屋氏「誰のためのオープンデータですか?」
福野氏「市民のためです。公共データはみんなが使えるようにしておいた方がいいというスタンスです。」
関氏「オープンデータも公開しただけでは意味が無い。CodeFor Japanもシビックハッカソンを開いて課題を解決しようという活動をやっている。一度この場に来て欲しい。」
福野氏「この9月に市役所業務アイデアソンをやって好評だった。行政の開くアイデアソンにCode For Japanが伺います、と言った方が良い。」
西田氏「供給側からの話が多いと思う。今のトレンドが終わったらどうなるんだろうという心配がある。次はガバナンスを変えていく流れになる。情報を公開することは他地域から人を招くことにつながる。情報広報部が必要では?」
福野氏「W3Cがオープンデータに向かい、アメリカが来れば、日本はそれに従えばいい?」
関氏「欧米の事例は単純な事例が多い。日本はもっと課題が多いのでは?」
福野氏「日本の政治的無関心は世界レベルでひどいのではないか?」
小林氏「世界は今後10年間で人口2倍になる。データをもっと活用しようという流れで動いている。」
福野氏「鯖江でやったことは単純だけどオープンにしたことの影響は大きい。」
会場より質問「シビックハッカソンのデータ要求に行政も市民もお互いすくんでいるのではないか?」
関氏「OKFJブログに膨大な事例がある。「ちばレポ」も2月のODDの体験会をきっかけに始まったと聞いている。ハッカソンでは課題発見などインプットに時間を割くとうまくいくことが多い。」
関氏「ハッカソンで大事なのはそれをきっかけにコミュニティが生まれること。成果に期待をかけすぎない。」
参加して感じたのは鯖江というローカルな市でありながら、世界の動きを視野に入れたカンファレンスを狙っていたことが印象に残りました。
一方でウィズグループの奥田氏のように他県であっても、地道に地域密着で活動されている方を講師にお呼びして、地域一般市民感覚とのバランスを図っていることも印象に残りました。
また、イベントの運営に福井高専生も3名ほどカメラ班として参加されていました。
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