今回は「行政とオープンデータ」というテーマで、オープンガバメントを含めた国内事例の紹介、そして実際の行政(会津若松市)はどのような取組みを行っているのかをテーマに、総勢27名の方にご参加いただきました。
まず初めに弊社会田より「オープンガバメント」について、TEDの動画が紹介されました。
この動画では雪が積もって見えなくなってしまい掘り出してももらえない消火栓を、あるアプリを作り使ってもらうことで解決に向かわせることに成功した事例を紹介しています。それは周辺の住民が消火栓一つ一つに名前をつけ、その市民に自分が名前をつけた消火栓の除雪をしてもらうというもの。早いもの勝ちなため、競争意欲をかきたてるこのアプリは口コミで広がっていきました。
さらに、このアプリを見たある役所のIT担当は雪対策ではなく「津波警報機」の見張りに、ある人は雨水の配水管の掃除に役立てるためにサービスを利用しました。通常の政府の動きではこれだけ早く問題が解決されることはありません。だからといって政府が不要ということではなく、市民が手を動かしもっと効率よく政府が機能するようなアプリ(=コード)を作っていきましょうと訴えてかけています。
その後、講義では国内オープンガバメントの事例として埼玉県宮代町の取組みが紹介されました。
ひとつは、「統計みやしろ」と称してさまざまなデータを公開しています。またユニークなものとしてはこれまでに行った事業、および今後行っていく事業すべてに関して「市民が払ったお金が何の目的で何に利用されたのか」を公開しています。
一部にグラフを活用するなど工夫が見られ、市民のみなさんに町の姿を知ってもらいたいという熱意が伝わります。もしかしたらこれを見てもよくわからないという人もいるかもしれませんが、町の意気込み、本気度が伝わるすばらしい取組みだと感じます。
こういった動きが広がっていくために私たちも活動をしていきたいと思います。
次に会津若松市情報政策課の本島様より「会津若松市のオープンデータの取組み」について講演をしていただきました。
会津若松市では平成24年7月から
・透明性、信頼性の向上
・国民参加、官民協働の推進
・経済の活性化、行政の効率化
を目指しオープンデータの取組みがスタートしました。
※会津若松市のオープンデータに関する取組みはこちらを参照ください。
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2009122400048/
また、公開していくデータが「オープンデータだ」といえるために配慮した点として
・機械の判読に適したデータ形式であること
・二次利用可能なルールを決めること
の2点。前者はCSVやRDFといったフォーマットを利用すること、そして後者は「クリエイティブコモンズ」を適用したそうです。そしてデータをオープン化していく際に出てきた課題として挙げていたのは
・すでに公開しているデータをオープン化のために加工する
「余計な公費」をかけない方法はないのか?
ということ。データのオープン化のために税金をさらに投入することを避けるために本島さんは中間形式であるCSVというフォーマットで公開を始めたということです。
さらにLinkDataなどのサービスを活用し公開するデータを増やしていき、オープンデータの取組みに対する評価として全市町村中で5位となっているところも紹介され、会津若松市がいかに積極的に取り組んでいるかを実感することができました。
今後はデータを分析して価値を生み出す人材の育成や、地域のオープンデータを集約するプラットフォームの検討などをしていくとのことで、これからの動向にも注目していきたいと思います。
※また、当日発表の資料は後日こちらのページ(下部)に掲載されるそうです。
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2009122400048/
最後はいつものように参加者同士によるディスカッションです。
4人ずつ7つの島に分かれて
・こんなデータがあったらこんなサービスを作りたい。
・こんな課題があるからこんなサービスを作りたいけど、データはあるのか?
など前回よりも踏み込んだ内容で議論が行われ、最後の5分でアイデアシートにまとめたあとは自薦他薦問わず、創ってみたいサービスについて発表をしていただきました。
今回集まったアイデアの中には思わずひざを打つアイデアも多くあり、回を追うごとに議論や思考が深まっている様子を感じることができます。後半のハッカソンに向けてさらなるディスカッションを進めていきたいと思います。
皆さま、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。
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