2013年10月16日水曜日

【レポート】オープンデータ・カフェ 会津 Vol.2「オープンデータの活用事例を先進事例から学ぶ】

昨日、10月15日にオープンデータカフェ会津の第2回目を開催しました。



今回のテーマは「オープンデータの活用方法を先進事例から学ぶ」ということで前回のイントロダクションよりもオープンデータを実感していただく内容となりました。

プレゼンテーションではまず最初に前回の復習を兼ねて、「オープンデータとは何か?」という内容がまとめられた動画を見ていただきました。

ティム・バーナーズ=リー「オープンデータとマッシュアップで変わる世界」(TED)

オープンストリートマップ」を使い世界中の開発者がハイチ周辺の詳細な地図を作り上げた事例が紹介されており、オープンデータの可能性を垣間見ることができる内容です。ぜひ何度でもみていただきたいと思います。

次に、弊社会田より福井県鯖江市でのインターンシップでの活動内容の報告が行われました。

インターンとして訪れたのは鯖江市役所。
なぜ鯖江市なのか?それは鯖江市が「オープンデータの先進地」と呼ばれているからなのです。市では「データシティ鯖江」をテーマに積極的に公共データをオープン化し、企業や個人にデータの利用を促しています。このデータを積極的に活用しているのが地元有力企業である、株式会社jig.jpの福野泰介氏。これまでに様々なアプリケーションが開発されています。

またこの鯖江市のオープンデータの取組みは市長からのトップダウンで行われているのも特徴です。さらにjig.jpの福野氏と強く連携し次々と事例をリリースする体制が完成している点は「オープンデータ先進地」たる所以ではないでしょうか。

鯖江市でのインターン報告の後は、ここ会津でのオープンデータ開発事例として株式会社デザイニウムの代表前田諭志様より「会津古今旅帳」というスマートフォンアプリの開発背景についてご登壇いただきました。



「会津をもっと楽しむアプリ」というテーマで開発されたこのアプリは、鶴ヶ城周辺の現在の地図と古地図を重ね合わせて表示し今自分がいる場所に昔は何があったかを見ることができるというもの。観光客に新しい発見をしてもらいたいという願いが込められているそうです。

このアプリケーションでは市が持っている400件の観光データを利用しており、そのデータが今後、他の会津の観光サイト等での利用されることを見据えて「データの取得元を共通化」、「データの整理と公開」を提案したそうです。オープンデータを意識していなかった時期にこういった考え方が生まれるということは、データのオープン化は必然的な流れだったのかもしれません。

前田氏は最後に「あらゆるデータはオープン化できる」、「一番データを持っているのは行政や大企業」と添え、行政との連携を深めていくことやビジネス化の考え方を持てる人材育成の大切さも訴えかけていました。

カフェの最後は参加者全員でのディスカッションです。毎回会の最後にワークショップを行い、参加者同士で話し合う機会を設けていますが、今回は全員が一つの輪になり自由にテーマを作って話し合いを行いました。



「そもそもオープンデータの事業化は可能なのか?」というテーマから始まり「鯖江市で成功している理由」や「会津がどこよりも先行するためには」などに広がり、参加者それぞれが日ごろ感じていることからオープンデータに結び付けそうなアイデアなどたくさんの意見が話し合われました。

みなさんが今回のカフェを通じ、共通して感じていたのはオープンデータでビジネスは難しいのではないだろうか?ということ。たしかにまだまだ成功事例は少ないですが、私個人的に、参加者のお一人から発せられた「小遣い稼ぎくらいはできるのではないか」という意見もあったように小さい成功から少しずつ大きくしていけばよいではないかと感じています。

今後、ハッカソンなどで実際にサービスの開発などを行っていくことになりますが、小さい事例をたくさん生み出すことで成功するためのヒントをみなさんで考えていきたいと思っております。



次回は10月29日(火)の開催です。ぜひご参加ください!


◇プレゼンテーションで使用したスライド。
http://www.slideshare.net/nobuhiroaita/20131015-27222503

◇鯖江市のその他の事例
http://www3.city.sabae.fukui.jp/ls/wifi/index.html

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