2014年10月31日金曜日

「オープンの定義(Open Definition)」Version2.0 日本語訳

オープンデータの「オープン」の意味を示す「オープンの定義(Open Definition)」のVersion2.0がリリースされました。当社で作成した日本語仮訳を掲載いたします。

原文:http://opendefinition.org/od/


オープンの定義 Version2.0

”オープンの定義(open definition)”は、誰もが情報に触れることができ、情報の共有が最も活発化されることを目的として、”オープン(open)”という語をここに以下のように定義する。

概要: 知識は誰もが自由に入手、利用、修正、共有できる時、”オープン”な状態であるとする。ただし、情報の発信元が明記され、公共性が保たれている場合に限る。

“オープン”という語の意味は、”オープンソースの定義(Open Source Definition)”に明記されているように”オープン”という語の意味と一致する。又、”オープン”という語は”自由文化作品の定義(Definition of Free Cultural Works)”に明記されているように”free”や”libre”といった語と同義である。”オープンの定義”は元来、”オープンソースの定義”に由来し、”オープンソースの定義”は、”Debian フリーソフトウェアガイドライン(Debian Free Software Guideline)”に由来する。

“作品(work)”という語は伝達される知識の一項目、もしくは一部を意味する。

“ライセンス(license)”という語は、その作品を利用可能にする法律に基づく。また、ライセンスの提供がない場合、作品の使用管理規定が無効化されていると解釈される(例えば著作権またはパブリックドメイン)。

1. オープンな作品
オープンな作品は頒布に際して下記の要件を満たさなければならない。

1.1 オープンライセンス
作品はオープンライセンスの下で利用可能でなければならない(第二セクション参照)。作品に付随するいかなる条件(例えば使用条件、または許諾者が有する特許)もそのライセンスを侵害してはならない。

1.2 入手
利用者は作品の全体を、正当で一時的かつわずかな再生コストで使用でき、インターネットを介して無償でダウンロード可能であるとする。ライセンスコンプライアンスに必要ないかなる付加情報(例えば帰属条件のコンプライアンスのために必要とされる配信者の名前)も作品に付記しなければならない。

1.3 オープンフォーマット
作品は、便利で修正可能な形で提供されなければならず、又ライセンスの保証する権利の行使を妨げる技術的障害がないようにしなければならない。特に、データは機械で読み取ることができ、大量に利用でき、そしてオープンフォーマット(制限や金銭等を課すことなく自由に公開された規格のフォーマット)で提供され、もしくは最低でも、ひとつのフリーなオープンソースのソフトウェア(free/libre/open-source software)を介して変換されるべきである。

2. オープンライセンス
下記の条件を満たしている場合、ライセンスはオープンである。

2.1 許諾事項
ライセンスは、下記に記載されている要項を許可しなければならない。

2.1.1 利用
ライセンスはその許諾を受けた作品に関し、自由な利用を許可しなければならない。

2.1.2 再頒布
ライセンスは、その許諾を受けた作品自身、または様々な作品を集めたパッケージの一部に関わらず、許諾作品の販売を含む再頒布を許可しなければならない。

2.1.3 修正
ライセンスは、その許諾を受けた原本からの描出表現を伴う加筆修正物を頒布することを許可しなければならない。

2.1.4 分離
ライセンスは、その許諾を受けた作品のいかなる部分が利用されること、頒布されること、その他の作品や作品集から修正されることを許可しなければならない。また、ライセンスの許諾を受けたいかなる作品のいかなる部分の頒布を受けた全ての団体は、原本を発行した団体が享受するのと同等の権利を有する。

2.1.5 編集
ライセンスは、その許諾を受けた作品がその他の作品を通じて頒布されることを制限してはならず、これを許可しなければならない。

2.1.6 不当差別の禁止
ライセンスは、特定の個人や団体を差別してはならない。

2.1.7 伝達
ライセンスの許諾を受けた作品に付される権利は、その他のいかなる法律の同意なしに、再頒布された全ての者に適用しなければならない。

2.1.8 適用範囲
ライセンスは、いかなる目的においても使用、再頒布、修正、編集を許可しなければならない。またそれは、いかなる分野でそれを利用するいかなる者に対し、その利用を制限してはならない。 
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2.1.9 無償利用
ライセンスは、いかなる場合でも、いかなる有償契約、使用料、その他の保証金、金融報酬を課してはならない。

2.2 特例
ライセンスは、次のような状況下以外では、2.1で求められる許可を制限、不明瞭化、縮小してはならない。

2.2.1 帰属
ライセンスは、帰属情報が不明瞭でない限り、作品に貢献者、権利者、出資者、作成者の帰属情報を明記することを要求しても構わない。

2.2.2 完全性
ライセンスは、その許諾を受けた作品の修正版が原本とは異なる名称や異なるバージョン番号を有すること、もしくは別途どんな修正がなされたかを示すことを要求しても構わない。

2.2.3 継承
ライセンスは、その影響下において、その許諾を受けた作品のコピーもしくは加筆修正物が原本に忠実もしくは類似していることを要求しても構わない。

2.2.4 通知
ライセンスは、その許諾を受けた作品の著作権を保持すること、およびそれがライセンスと合致することの証明を要求することができる。

2.2.5 情報源
ライセンスは、作品の更なる修正が可能となるように要求することができる。

2.2.6 技術的制限及び禁止事項
ライセンスは、ある作品の公表によりその他の作品の権利が制限されてしまう場合、その作品の頒布を禁止することができる。

2.2.7 不可侵
ライセンスは、それによって認められた権利を行使する必要がある場合、修正者に追加の公的認可の取得を要求しても構わない(例えば特許等)。また、それは、ある作品が既存の権利を侵害しない場合に限り交付される。


訳文作成)三浦彩(国際教養大学4年)
監修)株式会社CCL

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