2014年2月24日月曜日

International Open Data Day in GIFU 開催しました!

 国際的なオープンデータ推進イベント、「International Open Data Day」!
去る2月22日、岐阜会場は、大垣市情報工房にて無事終了することができました!
ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました!



簡単ではありますが、ここで当日の内容を振り返ります!

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 岐阜会場では、地域課題解決の糸口を市民の皆さんと共に見つけたいという思いから、身近なテーマ「防災」を取り上げ、考える間口を絞るために「子育て」というキーワードを絡めた講演やワークショップを行いました。

【タイムスケジュール】
10:00-10:10 開会
10:10-10:30 オリエンテーション
10:30-12:30 講演
 「身を守るために防災を知る!」
 NPO防災支援ネットワーク 理事長 高木淳一氏
 「さんまの消えた放課後と子供の安全・安心」
 株式会社イープレイス 代表取締役社長 久世里美氏
13:30-16:30 ワークショップ
 「子供の安全を守る防災対策サービスを考えよう」
16:30-19:00 アプリケーション開発体験
 「みんなで作ろうオープンデータ!」

1. オリエンテーション
 













 
 まずは、弊社・國枝より、オープンデータについての説明と現在の活用事例をご紹介しました。今回のテーマが「防災」ということで、鯖江市の避難所マップ、会津若松市の消火栓マップの2例を紹介し、オープンデータが防災に活用できることをPR。また、岐阜県の取り組みについては、このイベントの前日に開催地・大垣市のオープンデータに関するページが設置された事も、ご報告できました!


2. 講演
「身を守るために防災を考えよう!」
特定非営利活動法人防災支援ネットワーク(大垣市) 理事長 高木 淳一氏

防災士の資格を持つ高木氏は、いわば「防災のエキスパート」。
防災において何が大切なのか、どういった部分が課題なのかを教わりました。


・岐阜県は「活断層の宝庫」
 このあたりは、「断層型」の土地。大垣市周辺には池田山、関ケ原、養老〜桑名〜四日市、鈴鹿山地の4つの活断層が存在しており、私たちはどこで地震被害を受けてもおかしくないところに暮らしている。
 明治24年の濃尾大震災は、マグニチュード震度6と、国内最大級の直下形地震だった。大垣も倒壊や火災で、市街は大垣城くらいしか残らなかった。先人は、見るも悲惨な状態を経験している。


・内陸の岐阜でも、津波は影響する?
 3.11当日、宮城県南三陸町志津川に津波が押し寄せる動画を視聴。荷物の持ち出しや家族の安否を気にして逃げ後れるケースが多く見られ、特に女性が多かった。まず自分の命を優先するのが大切。
 岐阜県は海がないので、津波のイメージがわきにくいかもしれないが、岐阜県内でも3.11当時、揖斐川で潮位が30cm上昇したという事実があり、内陸だからといって、津波が関係しないということはない。



















・命を守る、地震への備え
 一番大切なのは自分の命。地震で生き残るための「備え」は、家の耐震化と家具の固定以外にない。耐震化については、1981年の耐震基準の前か後かで判断、前なら診断が必要かも。自治体の助成制度や税制優遇などがあるので、うまく利用を。

 また、家具の固定方法について。固定金具の種類は多様で、L字、ベルト・チェーン式、収納ユニット式など様々。まず、日頃からできることは、寝る部屋に何も置かないこと。


・家族と話そう!
 災害発生時の家族との連絡方法を話し合っておく。避難場所、道順の確認。災害伝言ダイヤル(171)などの活用。非常時に無料になる公衆電話も、かけるには10円、100円が必要。非常持ち出し袋に小銭を入れておくと良い。


・まとめ
 地震対策は、「価値ある無駄」。地震は自然災害だが、その対策の間違いや遅れは「人災」になる。日本が「地震国」だということを心得ておく。
また、どんな知識や備蓄よりも近所付き合いを見直す。みんなとあいさつすることが、大きな防災になる。


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「さんまの消えた放課後と子供の安全・安心」
株式会社イープレイス(大垣市) 代表取締役社長 久世里美氏


・放課後から消えた「さんま」?
 いま、小学校13年生は、年間の放課後時間が、学校にいる時間より長い、具体的には、2013年厚労省調べで、1681時間。
 「さんま」とは、3つの間のこと。時間、空間、仲間。「さんま」が消えた子どもたちは、家でゲームばかり、コミュケーションが苦手、ストレスに弱いなどの状況に陥っている。母親の就労率の増加などが原因となり、「子どもだけで平日放課後・長期休暇を過ごす」、「家庭の経済および文化による放課後格差」、「ゲームの増加による、室内遊びの増加」といった状況になってきている。こういった現状を受け、学校や市町村は、学童保育の受入年齢引き下げ、メール一斉配信での不審者情報、見守りボランティアなどで対応している。


・災害発生時、子どもは?
▷災害時、緊急時、台風時の対応
 ・学童保育は行わない
 ・一斉メールによる連絡通知
 ・学校への個々の連絡の禁止それでも問い合わせ殺到
 ・徒歩でのお迎えの推奨それでも親が車で来る
 ・「学校待機」か「集団下校」判断は学校併用不可。集団下校で帰っても親が帰宅困難者のケースも発生しうる。PTAも協力が困難。
 放課後、子どもだけで家にいる世帯が増加。子どもは親の携帯番号を知らない。避難場所は学校だと思い込んでいる。などの問題があるため、いざという時に、子どもたちが対応できる防災訓練や対策が必要。














・子ども向けの防災対策
▷防災対応クロスロードカード、防災すごろく。
▷地域での事例:岐阜市立三里小学校では、PTAに父親だけの「おやじの会」。父親と子どもだけの防災キャンプを開催。各務原市では「子どもサバイバルキャンプ」。無人島でサバイバル体験をする「各務野冒険塾」。自衛隊の協力で、テント、ロープ結び、簡易トイレ、自炊、野菜栽培など。災害時のリーダー育成として、「各務野冒険レンジャー」の認定。


・まとめ:ポイントは「家族・地域で考える」
 子どもは、近所のおじさんの顔を知らない。子どもを持つ世帯の防災の取り組みの参加が少ない。高校生・大学生世代の参加もない。放課後の行動に、学校は指針を置いていない。地域の防災組織の高齢化。
 ストレスに強い子ども、近所で自然にコミュニケーションが取れる子どもたちを家庭で、地域ぐるみで育てて行く事が、防災へもポジティブに働くのではないか。

 
 参加者の中には、実際に東日本大震災で被災した、宮城県仙台市の方々もいらっしゃって、アンケートの感想では、


「地域が違えば、地震のタイプも違います。各地の違いが出る中、子どもが安全に災害時過ごせるようにするにはどうすればいいか…改めて考えさせられます。」
「身の回りで、家具の固定が不十分な場所があるのを思い出し、見直そうと思いました」

「子どもが親の連絡先を知らない、というのはその通り、かえったらケータイのメモを持たせよう」
「災害時の学校において、下校の伝達の見直しが必要と感じました」

などの意見をいただきました。
そういったインプットになる講演を受けて、お昼からは、


3.アイデアワークショップ

テーマ「子どもの安全を守る防災対策サービスを考えよう!」

 4人1グループで開催。まずは、各自で「フク(不・苦)ワーク」を実施。「災害時に困りそうな事」を課題に、8つのマスに、アイデアを記入。それをグループ内でシェアし、気になるアイデアに☆をつけていきます。

 













 
 続いて、☆が多いアイデア(困り事)からグループで1つを選び、課題文にあてはめます。その後、問題の解決策を、1枚のシートにつき一人3つずつ記入。こうすることで、4人で48個と、多くのアイデアを一気に出す事ができます。
 48個のアイデアの中から、再び「気になるもの」「発展しそうなもの」に☆をつけて回します、☆がついたアイデアのマスを切り取り、カードにしたら、模造紙の上に並べて、似たアイデアたちを分類。分類したそれぞれのジャンルのなかから、「選抜アイデア」をグループで決め、それをもとに各自で「サービスアイデア」を考えます。


 
 













 続いて、個人で出したサービスアイデアを醸成するための「ブレインストーミング」。全員起立して、目が合った別のグループの誰かとペアになり、5分間の意見交換!これを4回繰り返します。意見交換をすることで、アイデアがもっと具体的になったり、良い方向になったりする効果が期待されるのです。
 そして、「アイデア・スケッチ」という用紙に、サービスアイデア、そのアイデアの特徴3つを記入。全員でスケッチを見て回り、「面白いもの」にまた☆をつけていきます。この方法で絞り込まれた「GOODアイデア」を発表してもらいました!
















13個…お風呂マップ
災害時にどこでお風呂が入れるのかが分かる地図。実体験をもとに考案。
11個…ボイスシグナル
アプリに任意の単語を登録しておくと、災害時にそれをスマホに向かってしゃべると保護者にメールが送られる。
11個…災害時にお風呂へ入れるかわかるマップ
銭湯位置などオープンデータを利用する。今銭湯の前に何人並んでいるかもわかる。
10個…ここ危険 水害時など危険な場所をマップにしてある。
10個…災害時に保護者宛にメールが入る。学校へ誰が代わりに子どもを迎えに行くかがわかる。従来の登録制をもっと柔軟に運用できるシステム。
情熱枠…家族がどこに行ったかわかる位置情報サービス


 以上のように、オープンデータを活用して実現できそうなアイデアも多く出た、充実した時間になりました!エンジニア&デザイナーさんのご参加が多かった今回、ぜひ、どれかアプリを実現させてください!?



5.みんなで作ろう!オープンデータ
 最後に、オープンデータ作成支援サイト「LinkData.org」を使用した、アプリケーション開発体験を実施しました。

 














 サイトの「チュートリアル」手順を参考に、ひな形のファイルを作成。データは、大垣市が公開しているデータや、スタッフがこの講習の為にPDFのイラスト画像等をエクセルファイルに変換した、大垣市や周辺自治体の避難所データ。
 任意でデータを登録し、実際の地図画面を見てもらうと、登録したデータの通り、地図が刺さっていることが確認できました。!


 今回はアプリなどのサービスを開発する「ハッカソン」のようなイベント形式では行いませんでしたが、市民に身近な課題「防災」と「子育て」をテーマにしたことで、その分野のオープンデータの存在を知ってもらう機会にもなりましたし、ニーズに即した新しいサービスが生まれる日が近いのでは!?と思えたイベントでした!

開催当日は、Facebookでも実況中継していました!
よろしければご覧下さい!

https://www.facebook.com/events/677710685614274/



ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!!


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