2014年3月25日火曜日

【レポート】オープンデータ・カフェin大垣「『税金はどこへ行った?』で見えること、見たいこと。」開催しました。

24日、大垣支社としては最後の開催となった、「オープンデータ・カフェ」。

メインテーマを「Where Does My Money Go?〜税金はどこへ行った?」に定め、岐阜が独自に展開した全自治体版のリリースや、ヴィンテージ版、比較機能版などの新展開について、来場者とのディスカッションを開催
 また、ゲストに福島県会津若松市のITベンチャー・デザイニウムの前田諭志さんをお招きし、地域課題の解決としてのサービスを考える時間になりました。




 まず始めに、大垣支社スタッフ・國枝より、本事業において作成したロールモデルアプリの紹介。

・ゴミ収集日チェッカー(大垣市)
・海津市診療所マップ
・岐阜市さかな図鑑
・名水マップ(大垣市)
・避難所マップ(大垣市)
・「税金はどこへ行った?」⇒岐阜県42市町村+県版 
 (http://spending.jpより検索
・「税金はどこへ行った?」⇒ヴィンテージ版

「ヴィンテージ版」は、10年前、25年前、50年前の決算が見られる。
▷50年前だと、農林水産費に「養蚕業費」などがあり、時代を感じられる。
▷科目の振り分けは、50年前にさかのぼると、教育費に多くの科目がみられる。今は、約半分以下の科目になっている。
▷データを見るだけでも、時代の移り変わりが分かる。

などの特徴があります。

続いて、「税金はどこへ行った?」について。

「税金はどこへ行った?」サービス概要
Open Knowledge Foundation Japanの取り組み
2012年くらいから始まり、ソースを流用しながら各地のエンジニアが自分たちの地域のバージョンを立ち上げている。3/24現在、128のサイトが立ち上がっている。
・各自治体とも、歳入・歳出が同じ費目で並ぶようにしている。
・出てくる税金の振り分けは、仮の振り分けで表示されるので、厳密には正しくない。実際は国の税金なども含まれており、全て市民が払ったものではない。
・各市町村、それぞれ入手できるデータで追えるもののみが公開されている。


また、各地の「税金はどこへ行った?」も見てみました。


【東京都品川区】
・作った人の独自の整理がされている。
・地方財政の知識がいくらかないと、作成がやりにくいことが分かる。
・アイコンのイラストもそれぞれに定義してやっていくので、各地で違いがある。今後、統一していく必要がある。
・税金のデータは、歳出のデータを使った方が良い。「予算」だと、必ずしも使われていないかもしれないため。

【千葉市】
・わかりやすい言葉で整理されている。
・詳細もしっかりしており、説明も細かい。
2013年のInternational Open Data Dayで活動し、作成したことがサイトで紹介されている。

【青森県】
・当初予算のデータを使用、分野を絞って掲載している。

【岐阜県】
・県の情報産業課のホームページにある「岐阜県オープンデータライブラリ」にはH24年度の決算データが載っている。
・総数128のうち、3分の1は岐阜のもの。


「税金はどこへ行った?」を使ってできることについて

・すでにリリースしている「ヴィンテージ版(過年度版)」
⇒社会情勢が変わった時代のものを、ということで、25年、50年前のバージョンを作成した経緯がある。

改めて見てみると、
・土木費など・・・数字の変化あり。
・25年前=バブル時代。50年前=所得・GDPも増え、経済が拡大した時代。
・古いデータを掘り起こした苦労

作成者・國枝の感想
▷50年前の資料は「活版印刷」なので、読み込む必要がある。しかし、PDFから文字データを起すことは無理。紙をめくると破れてしまうため、印刷してもらって手打ちでデータを起した。それでも、印刷機に載せるときにはがれたりして、古文書のよう。
このままだと、読むことすらできなくなるため、古いデータの書物などに言えることだが、「必要な場面で必要な形で使えるようにする」=古いもののデジタル化、が課題。
▷実際このようなデータをひっぱりだすには、やはり自治体の協力が不可欠。今回は、県庁の出納課で「OD相談室」として常駐。統計課に話を聞くなどした。
Code for Americaが行っている、民間のスタッフが行政に出向し、開発等を行う「フェローシップ」のお試し版をやらせてもらった形となった。


 最後に、「税金はどこへ行った?」比較機能版(児童福祉費比較版)の検討項目を挙げるために、前田氏や会場の皆さんとともに意見交換を行いました。ここでは、皆さんのご意見をハイライトで掲載します。

◉原
・児童福祉費版では、人口規模、世帯規模、施設情報、乳幼児医療費助成などの科目が見られる。
児童福祉費の比較機能を自治体間で比べるきっかけになるといい。
・岐阜県は全市町村やったので、次のステップをどうするか?が課題。

◉前田さん
・市民の目線で見ると、データの「見える化」は必要。エクセルデータが配布されても、字が多すぎて読むのがめんどくさい。
・いかに分かりやすくみせるか?何のために見える化するか?市民に何を感じてほしいか?を考えるべき。
・行政担当課に意見を向けたり、議員を捜して投票して、町を変えていこうなどという、市民のアクションにつながるようになるといい。
・オープンデータといえば「行政データ」といわれているが、ゆくゆくはパーソナルデータや民間企業のデータも組み合わせていくといい。
・ただ、「税金〜?」を見て、「ここの市はダメだ」という判断の指標にはなってほしく

◉清水さん(参加者)
・民間の人はこれらのデータを使って、ビジネスにする。その結果、行政に還元するかはわからないのでは?
・今年はESD(持続可能な開発のための教育)イヤーなので、これを「税金〜?」にからませてもらえると嬉しい。
・行政のテーマやスローガンを出しておくと、その通りになっているかも見られて分かりやすいのでは。
・いずれにしても、「税金〜?」に、行政の取り組みが見える役割があると良い。

◉白松さん(参加者)
・ヴィンテージ版の見せ方について、横軸が時系列でみられるものがあってもいいのではないか。
・去年名古屋で開催した「Spending Data Party」で出た「税金〜?」サイトの活用アイデアは、「そのページから行政に質問できるなど、コミュニケーションの種に使ってはどうか。」というものだった。

◉國枝
ヴィンテージ版の串刺比較はできない。理由は、例えば50年前と今では、全く項目が一致しないから。また、項目が別の費目に動いているものもあるため。

◉石井さん(参加者)
・子どもを施設に預けるときのコストは市町村によって違うので、自治体ごとの費用がわかるといい。
・保育園など、未就学児対象の施設を対象にしたらいいかも。子どもは、小さい時ほどお金も手もかかる。1家族あたり何人の子どもがいるかのデータも分かるといい。


 以上のように皆様から多くのコメントを出していただき、活発な意見交換ができました。


 司会進行を務めた弊社取締役・原からは、「今日頂いた皆さんのご意見を受け、今後追加できるものがあれば追加したい。」、「今後も岐阜、東北でこういった場を設けたい。また、新たな取り組みを岐阜県発で広げていきたい。引き続き一緒にこういった場を持てればと思う。」という言葉で、今年度最後のカフェが閉じられました。

 多くのご参加社の方々のおかげで、弊社の「オープンデータ・カフェ」が開催できたこと、心より感謝致します。皆様、今後ともオープンデータを使って、広めて、役立てていきましょう!ありがとうございました!






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